ライターの捨て方が分からず、「このままゴミに出しても大丈夫?」「中のガスってどう処理すればいいの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
ライターは中に入っているガスやオイルを完全に抜き取り、ルールに従って正しく処分する必要があります。
本記事では、ライターの捨て方で間違えやすいポイントや4つのライターの捨て方について解説します。安全なガス抜き・オイル抜きの手順やライターを捨てる際の注意点についても触れるため、ぜひ参考にしてください。
1.ライターの捨て方で間違えやすいポイント
ライターは、誤った捨て方をすると火災や爆発などの重大な事故につながる恐れも。特にガスやオイルを含んだまま処分してしまうと、収集車やゴミ処理場で引火するリスクが高まります。
ここでは、ライターの捨て方に関して間違えやすいポイントを整理し、正しい処分のポイントを紹介します。
ライターは種類によって捨て方が異なる
ライターには大きく分けて「使い捨てライター」「ガスライター(充填式)」「オイルライター」の3種類。それぞれ構造や中に含まれている可燃物の性質が異なるため、処分方法も個別に対応する必要があります。
たとえば、使い捨てライターはシンプルな構造のため比較的簡単にガス抜きが可能ですが、ガスライターやオイルライターは再充填ができる構造のため、内部に可燃物が残っている可能性が高くなります。
カタニャン
ガス抜きをせずに捨てると引火の危険がある
ガスやオイルが残ったままのライターをそのまま可燃ゴミや不燃ゴミに出してしまうと、回収・処理の過程で思わぬ引火事故を引き起こす危険性があります。
特に、収集車内でゴミが圧縮される際や焼却場の高温環境では、ライターが爆発する事例も報告されています。
自分自身だけでなく、処理に関わる作業員や周囲の人々にも深刻な被害をもたらす可能性があるため、必ず事前のガス抜き・オイル抜きを徹底しましょう。
自治体によって分別ルールが異なるため確認が必要
日本全国どの地域でも同じ分別ルールが適用されているわけではありません。ある自治体ではガスを抜いたライターを「可燃ゴミ」として扱う一方で、別の自治体では「不燃ゴミ」や「危険ゴミ」と扱う場合もあります。
そのため、ライターを捨てる際には、お住まいの自治体が定める「ゴミの分別ルール」を必ず確認することが重要です。自治体の公式ウェブサイトや清掃センターへの問い合わせを通じて、具体的な分類方法や処分の指示を確認しておきましょう。
2.ライターの捨て方4選
ライターの処分にはさまざまな方法があり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。自分が持っているライターの種類や状態、量に応じて、最も適した捨て方を選びましょう。
ここでは、代表的な4つの処分方法を詳しく解説します。
捨て方 | 費用 | 手間 | こんな人におすすめ |
自治体のゴミ | 0円 | △ | 費用を抑えたい方 |
リサイクルショップ・フリマアプリ | 0円〜 | × | 高級ライターをお持ちの方 |
不用品回収業者 | 数百円〜20,000円程度 | ○ | 大量に処分したい方 |
知人や友人に譲る | 0円 | △ | まだ使えるライターをお持ちの方 |
※手間 ○:手間が少ない、△:やや手間がかかる、×:手間がかかる
捨て方1. 自治体のゴミで捨てる
ライターの処分方法として最も一般的で手軽なのが、「自治体のゴミとして捨てる」方法です。使い捨てライター、ガスライター、オイルライターのいずれも、可燃物を完全に抜いた状態であれば自治体のゴミとして出すことが可能です。
相談者
カタニャン
メリット | デメリット |
手軽でコストがかからない | ガス抜きなどの事前準備が必要 |
自宅から簡単に出せる | 自治体によって分別方法が異なるため確認が必要 |
どの種類のライターでも対応可能 | 大量にある場合は自治体では受け付けないことも |
地域によってライターの分別ルールは異なるため、必ず事前に確認が必要です。以下の方法で、自治体のルールを把握しましょう。
- 自治体のホームページを確認する
- インターネットで「(市区町村名) ライター 捨て方」と検索する
- 電話で環境部局や清掃センターに問い合わせる
捨て方2. リサイクルショップやフリマアプリで売る
状態の良いライター・有名ブランド・限定モデル・アンティーク品などは、リサイクルショップで売却できる可能性があります。特にZippoやデュポン、イムコなどの高級ライターは人気があり、中古市場でも一定の需要があります。
ただし、リサイクルショップによってはライターの買取を扱っていない場合もあるため、事前に店舗へ電話やメールで確認しておきましょう。
また、フリマアプリ(メルカリ、ラクマなど)を利用して個人間で売買することも可能です。
メリット | デメリット |
お金に換えられる可能性がある | 状態によっては買い取ってもらえない場合がある |
必要とする人に再利用してもらえる | ガス・オイルを抜く手間が必要 |
アンティークや限定品は高値がつくことも | 店舗ごとに対応が異なるため、事前確認が必須 |
捨て方3. 不用品回収業者に依頼する
引っ越しや断捨離の際など、ライターを大量に処分したいときは、不用品回収業者への依頼が便利。ライター単体での処分にはやや費用がかかるため、他の不用品とまとめて依頼すると効率的です。
業者によってはライターを危険物として分類し、受け入れを断るケースもあるため、依頼前に「ライターの処分が可能か」を確認しておきましょう。信頼できる業者に依頼することで、安全かつ確実に処理してもらえます。
カタニャン
メリット | デメリット |
一括で大量のライターを処分できる | 処分費用が発生する |
他の不用品とまとめて依頼できる | 信頼できる業者を選ぶ必要がある |
自分でガス抜きをしなくてもよい業者も | 不用品回収を装った悪徳業者に注意が必要 |
捨て方4. 知人や友人に譲る
まだ使える状態のライターがある場合、知人や友人に譲るという選択肢もあります。特に喫煙者やキャンプなどで使用する人には重宝されることもあるでしょう。
この方法の注意点は、譲渡する相手がライターの扱いに慣れているか確認することです。また、オイルやガスが残っているライターを渡す際は、取り扱い方法や使用期限などを説明し、安全に配慮する必要があります。
メリット | デメリット |
ゴミにならずに再利用される | 相手がライターを必要としているとは限らない |
環境にやさしい処分方法 | 取り扱いの注意点を伝えないと事故のリスクがある |
状態が良いライターを有効活用できる | トラブル防止のため信頼関係がある相手が望ましい |
3.【種類別】ライターのガス抜き・オイル抜きの手順
ライターは種類ごとに構造や可燃物の保持方法が異なるため、それぞれの特性に合わせたガス抜き・オイル抜きが欠かせません。各ライターの仕組みに合わせた適切な作業を行いましょう。
使い捨てライターの場合
使い捨てライターを捨てる際に最も重要なのがガス抜きの作業です。中に残ったガスは可燃性が非常に高く、そのまま捨てると引火や爆発の原因になります。
以下の手順に従って、安全にガスを抜いてください。
- 屋外の風通しの良い場所で行う
- 操作レバーを押し下げてテープで固定する
- 「シュー」という音が消えるまで放置する
- 着火操作をして炎が出ないことを確認する
複数本まとめてガス抜きを行う場合は、1本ずつ作業するようにしましょう。複数のライターを同時に扱うと、ガスの濃度が高まり危険です。
カタニャン
ガスライター(充填式)の場合
ガスライター(充填式ライター)は、繰り返し使える便利なアイテムですが、ガスの補充ができるため内部にガスが多く残っている可能性があり、処分時には特に注意が必要です。
ガスライターは、一般的に底面にある「充填バルブ」からガスが注入されています。このバルブを利用して、余分なガスを安全に抜く必要があります。
次の手順に従って、安全にガスを抜きましょう。
- 屋外の風通しの良い場所で行う
- 充填バルブを細い棒などで押してガスを抜く
- ガスの噴出が止まるまでしばらく保持する
- 着火操作をして炎が出ないことを確認する
ガスの噴出時に指や顔を近づけないようにしてください。また、ガスが目や口にかからないよう、身体の向きを調整しながら行うと安全です。
ガスライターは複数の素材が組み合わされているため、自治体によって不燃ゴミ、素材別分別、粗大ゴミなど扱いが異なります。処分前に必ず自治体のルールを確認し、ブランド品や状態の良いものは買取も検討してみましょう。
オイルライター(Zippoなど)の場合
Zippoなどのオイルライターは耐久性が高く、愛用している人も多いアイテムです。
オイルライターは中に可燃性のオイルが染み込んだ綿が入っており、これが着火燃料として機能しています。捨てる前に、必ずオイルを完全に抜き取り、揮発させておくことが重要です。
以下の手順を参考にしてください。
- 屋外の風通しの良い場所で作業する
- 中の綿を取り出し、オイルを揮発させる
- オイルが多く残っている場合は新聞紙に染み込ませてから捨てる
オイルの揮発には数日かかることがあります。においや湿り気がある場合は、完全に乾くまで時間をかけてください。焦らず、確実にオイルを抜くことが重要です。
オイル抜きが完了した後は、本体を自治体の指示に従ってゴミとして出します。Zippoに代表される金属製ライターは、自治体によって「燃えないゴミ」あるいは「資源ゴミ(金属類)」として扱われることが一般的です。
カタニャン
4.ライターを捨てる際の共通の注意点
ライターの処分においては、種類を問わず共通して守るべき安全対策や注意点があります。これを怠ると、火災や爆発といった重大なトラブルに繋がりかねません。
以下では、どのタイプのライターにも共通する重要な注意点をご紹介します。
火気厳禁:ガス抜きやオイル抜きは火気のない場所で行う
ガス抜きやオイル抜きの作業は、火の気の一切ない場所で行うことが絶対条件です。
ライターに含まれるガスやオイルは、非常に引火性の高い危険物質。たとえ微量であっても、静電気や近くの火気が引火の原因になることがあります。
屋内のキッチン・暖房器具の近く・喫煙中の場所などは避けて、ガス抜きやオイル抜きを行いましょう。
屋外で作業:密閉された空間でのガス抜きは避ける
ライターのガス抜きは風通しの良い屋外で実施することが必須です。
ガスやオイルの成分は空気中に広がりやすく、密閉空間では高濃度で充満してしまうリスクがあります。これが引火すると、爆発や中毒事故の原因になることも。
特に雨の日や気温の高い日は、周囲の安全にも十分注意を払ってください。
完全にガス・オイルを抜く:中途半端な状態で捨てない
「ガスを少しだけ抜いた」「オイルのにおいはするけど時間がないから捨てた」など、中途半端な状態で捨てることは非常に危険です。
ゴミ収集車の圧縮機構や処理場の高温環境で引火する恐れがあるため、ガスやオイルは完全に抜き切ることが必須です。
カタニャン
大量処分の注意:大量にある場合は清掃事務所などに相談
キャンプ用品店や飲食店、個人で収集していたライターなど、大量にライターを処分したい場合は、通常の家庭ゴミとして出すのは危険かつ不適切です。
一定量を超えると自治体では受け付けてもらえないことがあります。そのため、清掃事務所や環境センターに事前相談が必要です。
また、民間の不用品回収業者に依頼する方法もあります。
ライターは「正しい知識」と「安全な手順」で処分しよう
ライターは身近な生活用品である一方、処分方法を誤ると火災や爆発など重大な事故を引き起こす危険性があるアイテムです。特にガスやオイルが残ったまま捨ててしまうと、収集車内での爆発事故や焼却場での引火といったリスクが高まります。
自治体のゴミとして出す場合は必ず事前にガス・オイルを完全に抜き、分別ルールを確認することが大切です。また、高級ライターはリサイクルショップでの売却も検討できます。
どの方法で捨てる場合でも、共通して重要なのは、安全な状態で捨てることです。この記事で紹介した内容を参考に、ご自身の状況に合った安全で適切な方法で、ライターを処分するように心がけましょう。