一斗缶の捨て方5選!無料の処分方法や中身の処理手順まで徹底解説

一斗缶の捨て方

「一斗缶の処分費用はどのくらいかかるの?」「中身が残っている一斗缶はどう処分すればいい?」と、一斗缶の処分方法に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

一斗缶の捨て方はさまざまで、お住まいの自治体によっても大きく異なります。また、中身が残っていると回収対象外となることもあるため注意が必要です。

本記事では、一斗缶の処分方法や費用の目安を詳しく解説します。一斗缶を捨てる際の注意点や中身の処理方法についても触れるため、ぜひ参考にしてください。

1.一斗缶の捨て方5選!

一斗缶は、大きく分けて5つの方法で処分できます。無料で処分できるケースから、数千円の費用がかかる場合までさまざまです。ここでは各処分方法の特徴やメリット・デメリットについて解説します。

処分方法 費用の目安 手間 こんな人におすすめ
自治体の普通ゴミ 0円(指定袋のみ) 費用を抑えて処分したい
自治体の粗大ゴミ 200~1,000円 大きいサイズの一斗缶を捨てたい
ホームセンター等での引き取り 0円 新しい一斗缶の購入予定がある
スクラップ業者等 0円〜 きれいな状態の一斗缶を捨てたい
不用品回収業者 1缶あたり1,000~3,000円 ⚪︎ 手間をかけたくない

※手間 ⚪︎:手間がかからない、△:やや手間がかかる、×:手間がかかる

捨て方1:自治体の普通ゴミとして出す

費用を抑えて処分したいなら、自治体の分別ルールに従って「資源ゴミ」「金属ゴミ」「不燃ゴミ」として出すのがおすすめです。多くの自治体では無料で回収してもらえます。

処分の際は、一斗缶を空にして水洗い・乾燥を行い、地域ごとのルールを守って収集日に出してください。

カタニャン

地域によっては普通ゴミで出せない場合もあるから、必ず自治体のサイトで確認してね。

メリット デメリット
無料で処分できる(指定袋代のみ) 自治体ごとに分別区分が異なる
指定日に出すだけで処分できる 大型サイズは収集対象外

捨て方2:自治体の粗大ゴミとして出す

一斗缶が自治体の通常収集のサイズ制限を超える場合は、粗大ゴミとして処分できます。手数料は1個あたり200~1,000円程度で、事前申込制となります。

処分の流れは以下の通りです。

  1. 電話またはインターネットで申し込む
  2. 収集日と手数料を確認し、コンビニ等で処理券を購入する
  3. 処理券を貼り付け、指定された日時に指定場所へ出す

地域によっては月に1~2回しか収集日がない場合もあるため、急いで処分したい方には不向き。また、自治体によってルールが大きく異なるため、必ず事前に確認してから手続きを進めましょう。

メリット デメリット
自治体サービスで安心 収集日まで待つ場合がある
費用が比較的安価 手数料が発生する

捨て方3:ホームセンター等での引き取りサービスを利用する

ペンキや塗料を購入したホームセンターや塗料専門店では、使用後の一斗缶を引き取るサービスを提供している場合があります。これは環境保護の観点から、販売店が自主的に行っているサービスで、購入時のレシートがあれば無料で引き取ってくれることも多いです。

利用方法は店舗によって異なりますが、一般的には購入時のレシートと一緒に一斗缶を持参し、サービスカウンターで引き取りを依頼します。

ただし、すべての店舗で実施しているわけではなく、条件もさまざまです。購入から一定期間内に限る、同じ商品の購入が条件、有料(300~500円程度)など、店舗ごとにルールが設定されています。

また、中身が多少残っていても引き取ってもらえる場合もあります。完全に空にするのが難しい塗料缶などには特に便利です。

カタニャン

事前に電話で引き取りサービスの有無と条件を確認しよう!

メリット デメリット
無料で引き取ってくれる場合がある 店舗ごとに条件が異なる
中身が少し残っていてもOKな場合がある レシートの提示を求められる場合がある

捨て方4:金属買取・スクラップ業者に依頼する

完全に洗浄・乾燥させた一斗缶が大量にある場合は、金属買取業者やスクラップ業者に売却できる可能性があります。一斗缶は鉄やブリキでできており、金属資源として価値があるためです。キロあたり20~50円程度で買い取ってもらえる場合もあります。

売却の条件として重要なのは、中身が完全に空で、内部が清潔であることです。塗料や油が付着していると買取を断られる場合があります。また、業者によっては最低買取量(100kg以上など)が設定されていることも。一般家庭から出る数個程度では対応してもらえない可能性もあります。

メリット デメリット
現金収入を得られる場合がある 中身を完全に空にする必要がある
資源を有効活用できる 少量では対応不可の場合がある

捨て方5:不用品回収業者に依頼する

中身も一緒に処分したい、他の不用品もまとめて処分したい場合は、不用品回収業者への依頼が便利です。電話一本で自宅まで回収に来てくれるため、重い一斗缶を運ぶ必要がなく、分別の手間も省けます。

料金は業者や地域によって異なりますが、一斗缶1個あたり1,000~3,000円程度が相場です。他の不用品とまとめて依頼すると、軽トラック1台分で15,000~30,000円程度のパック料金が適用されることもあります。即日対応可能な業者も多く、急いで処分したい場合には最適な選択肢となります。

依頼する際は、必ず一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ正規の業者を選びましょう。無許可業者に依頼すると、不法投棄されるリスクや、後から高額請求される可能性があります。複数の業者から見積もりを取り、料金体系が明確で、口コミ評価の高い業者を選んでください。

中身がいっぱい残っているんだけど、引き取ってもらえるのかしら?

相談者

カタニャン

中身が大量に残っていたら断られる場合もあるから、事前に確認しよう!

メリット デメリット
手間がかからない 費用が高くなる
他の不用品もまとめて処分できる 悪徳業者のリスクがある

2.一斗缶を捨てる際の注意点

一斗缶を安全かつ適切に処分するためには、守るべき重要な注意点があります。法的トラブルを避けるためにも必ず理解しておきましょう。

事業で使用した一斗缶は「産業廃棄物」扱いになる

事業で使用した一斗缶は、家庭ゴミとして処分することはできません。産業廃棄物として適切に処理する必要があります。

廃棄物処理法では、事業活動で生じた一斗缶は「金属くず」や「廃プラスチック類」に分類され、事業者自身に排出事業者責任が課せられています。そのため、必ず都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者・処分業者へ委託しなければなりません。

塗料や溶剤などが付着している場合は「特別管理産業廃棄物」となり、専任の管理責任者を設置するなど、より厳しい管理体制が必要です。不適正処理を行うと、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられる場合があるため、必ず法令に則り、安全で適正な方法で処分しましょう。

不法投棄は絶対にNG

一斗缶を指定場所以外に廃棄することは固く禁じられています。空き地や山林、河川などへの投棄は「不法投棄」という犯罪行為です。廃棄物処理法により個人は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が科されます。

「少しくらいなら」「誰も見ていないから」という安易な考えは禁物です。防犯カメラの普及により摘発されるケースが増加しており、缶に貼られたラベルや内容物から投棄者が特定されることも少なくありません。

特に深刻なのは、内容物が残った一斗缶を投棄した場合です。土壌汚染や水質汚染を引き起こし、環境への影響は何十年も続く可能性があります。摘発された場合は刑事罰に加えて、環境汚染の原状回復費用として数百万円を請求されるケースもあります。

カタニャン

決められた方法で正しく処分しよう!

3.一斗缶の中身の処理方法

一斗缶の中身が残ったまま捨てると、環境汚染や火災、悪臭の原因になるだけでなく、自治体の収集で回収を断られることもあります。ここでは、一斗缶に残る代表的な中身である「食用油」と「塗料・ペンキ」の2つのケースについて、それぞれ正しい処理方法を解説します。

食用油(廃油)が入っている場合

食用油が残っている一斗缶は、まず中身の油を適切に処理してから、空になった缶を洗浄して処分する方法が基本です。

油は、新聞紙・古布・キッチンペーパーなどに吸わせ、可燃ゴミとして処分できます。大量の油の場合は、牛乳パックに新聞紙を詰めて油を注ぎ、しっかりとテープで封をしてから可燃ゴミに出しましょう。市販の凝固剤を使用すれば、より簡単に固形化できます。一部の自治体では廃食用油の回収を行っているため、リサイクルに協力することも環境保護につながります。

注意

油を排水口に直接流すことは避けてください。これは配管の詰まりや水質汚染の原因となり、下水処理にも大きな負担をかけてしまいます。

油を処理した後の一斗缶は、中性洗剤とお湯でしっかり洗浄し、完全に乾燥させてから処分しましょう。

塗料・ペンキが入っている場合

塗料やペンキが残っている一斗缶は、内容物を固化させてから処分するのが基本です。少量の場合は、新聞紙や布切れに塗料を吸わせて、完全に乾燥させてから可燃ゴミとして処分できます。

量が多い場合は、市販の塗料固化剤を使用するか、缶のフタを開けて風通しの良い場所で自然乾燥させる方法があります。ただし、乾燥には数日から数週間かかることもあり、その間は火気厳禁です。水性塗料の場合は比較的処理しやすいですが、油性塗料やラッカー系塗料は引火性が高いため、特に注意が必要です。

処理が困難な場合は、専門の産業廃棄物処理業者に依頼してください。塗料を処理した後の缶は、残留物がないことを確認してから、適切に処分しましょう。

4.一斗缶の捨て方に関するよくある質問

一斗缶の処分について、多くの方が抱える疑問や不安があります。ここでは、実際によく寄せられる質問についての回答をQ&A形式でお答えします。

一斗缶は潰して捨てた方がいい?

一斗缶を潰して捨てるかどうかは、自治体の分別ルールによって対応が異なります。資源ゴミとして回収する自治体では、リサイクル処理の都合上、潰さないよう指定している場合があります。これは、潰れた缶は選別機での処理が困難になるためです。

一方、不燃ゴミや粗大ゴミとして処分する場合は、かさばりを減らすために潰すことを推奨している自治体もあります。また、潰す際は、内容物が完全に空であることを確認しましょう。加えて、鋭利な切り口でケガをしないよう軍手を着用することが重要です。

わからない場合は地域の清掃事務所に確認してみてください。

一斗缶の再利用方法はある?

きれいに洗浄した一斗缶は、さまざまな用途で再利用できます。最も人気があるのは収納容器としての活用で、工具や園芸用品、子供のおもちゃなどの整理整頓に便利です。

DIY愛好家の間では、スツールや植木鉢、傘立てなどにリメイクする方法も人気があります。農家や家庭菜園では、水やり用のジョウロや肥料の保管容器として重宝されています。また、災害時の備蓄容器としても優秀です。密閉性が高いため食料や水の長期保存にも適しています

カタニャン

アウトドアシーンでは、簡易コンロや焚き火台に加工して使う方もいるみたいだね!

ただし、再利用する際は以前の内容物を完全に除去することが必須で、特に化学物質が入っていた缶は食品用途には使用しないよう注意が必要です。再利用することで、ゴミの削減と資源の有効活用につながり、環境保護にも貢献できます。

一斗缶はルールを守って正しく処分しよう

空の一斗缶であれば資源ゴミや不燃ゴミとして処分できることが多いですが、油や塗料などの中身が残っている場合は適切な処理が必要です。

処分にかかる費用も、無料で済む場合から数千円かかる場合までさまざまです。また、不法投棄は重い罰則の対象となるため、必ず適正な方法を選択しましょう。加えて、事業で使用した一斗缶は産業廃棄物として処理する必要があります。

最も重要なのは、お住まいの自治体に確認することです。同じ一斗缶でも地域によって扱いが異なるため、市区町村のホームページや清掃事務所への問い合わせて正確な情報を得ることが、安全で適切な処分への第一歩となります。環境保護の観点からも、一人ひとりが責任を持って正しい処分を心がけましょう。