コンクリートブロックの安全な処分方法6選!費用・注意点を解説

コンクリートブロックの安全な処分方法6選!費用・注意点を解説

お庭のDIYや花壇作り、あるいは建物の解体などで発生するコンクリートブロック。非常に頑丈で便利な建材ですが、一度不要になると、その処分方法に頭を悩ませる方は少なくありません。

コンクリートブロックは「産業廃棄物」に分類されるため、家庭ゴミとして収集できません。知らずにゴミ集積所に出してしまうと、収集されずに残されたり、不法投棄と見なされたりするリスクがあります。

この記事では、コンクリートブロックの正しい処分方法6選と、処分前に知っておくべき重要事項を解説します。また、よくある質問も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

コンクリートブロックの正しい処分方法6選

不要になったコンクリートブロックの処分には、専門的な知識が必要です。ここでは、代表的な6つの処分方法とそれぞれの特徴を紹介します。

処分方法 費用の目安 手間 おすすめな人
外構業者・解体業者 200円~1,000円/個+運搬費 プロに任せたい人
不用品回収業者 総額5,000円~ 手間なく処分したい人
ホームセンター 無料~数百円/個 購入時のレシートがある人
リサイクルショップ 0円(収益あり) 近くにショップがある人
フリマアプリ・ネットオークション 0円(収益あり) × 費用をかけずに処分したい人
友人・知人に譲渡 0円 譲り先がある人

※手間:○=手間ゼロ・△=やや手間がかかる・×=手間がかかる

方法1:外構業者・解体業者に依頼する

コンクリートブロックは、分類上「がれき類」という建設廃材に含まれるため、本来の処分ルートである外構工事を専門とする業者や、解体業者に依頼するのが、最も適正かつ確実な処分方法です。産業廃棄物としての処理に必要な許可とノウハウを持っているため、安心して任せることができます。

業者によっては、解体工事を伴わない単独のブロック回収サービスを提供している場合があります。費用はブロック1個あたり200円~1,000円程度が目安ですが、これに加えて、回収場所から処理場までの運搬費や作業費が基本料金として加算されます。

ブロック塀の解体と合わせて大量に処分する場合や、確実な産業廃棄物処理を求める場合に最適な選択肢です。

メリット デメリット
産業廃棄物のプロなので適正な処理が確実 運搬費や人件費が加算されるため総額が高くなりがち
大量・多量の処分に対応している 少量だと割高になることがある

方法2:不用品回収業者に依頼する

「重すぎて自力で運べない」「とにかく手間をかけたくない」という場合に最も有効なのが、不用品回収業者に依頼する方法です。自宅内からの運び出し作業をすべて業者に任せられるため、重いコンクリートブロックによる怪我のリスクを完全に避けることができます。

ただし、コンクリートブロックは「積み放題パック」の対象外とされていることが多いです。料金は個数や総重量に基づいて決定され、総額で5,000円程度からが相場です。

不用品回収業者を選ぶ際の注意点は以下のとおりです。

  • 許可証の確認
    コンクリートブロックの処分に必要な「産業廃棄物処理業許可」を持つ業者に依頼する必要があります。許可がない業者は無許可営業の可能性が高く、不法投棄などのトラブルにつながります。
  • 見積もりの明瞭さ
    見積もりが「回収費」「運搬費」「人件費」など細かく、かつ明確に提示されているか確認しましょう。「一式」などの曖昧な表記や、作業後に高額な追加料金を請求する悪徳業者には十分注意が必要です。
  • 契約前のキャンセルポリシーの確認
    契約後のキャンセル料や、料金体系を事前に書面で確認し、不明点を残さないようにしましょう。
メリット デメリット
運び出しの手間が一切かからない(怪我のリスク回避) 処分費用が他の方法より高額になりやすい
自分の都合に合わせて回収日時を決められる 悪徳業者を選ばないよう注意が必要である

方法3:ホームセンターなどの購入店舗に引き取りを依頼する

コンクリートブロックをホームセンターや建材店で購入した場合、購入店舗に引き取りを依頼できる場合があります。

この方法を利用できれば、無料または安価で処分できる可能性があります。

注意

しかし、サービスを行っていない店舗も多く、また、引き取りの条件として購入時のレシートや購入履歴の提示を求められることがほとんどです。

まずはブロックを購入した店舗に、引き取りサービスの有無や条件を問い合わせてみましょう。

メリット デメリット
無料または安価で処分できる サービスを実施していない店舗が多い
手軽に相談できる 運搬の手間がかかる、購入時のレシートが必要な場合がある

方法4:リサイクルショップ(建材専門)で売却する

もしお手持ちのコンクリートブロックが未使用品であったり、状態が非常によく再利用可能なものであれば、建材や資材を専門に扱うリサイクルショップに売却できる可能性があります。

ポイント

通常の家具や家電を扱うリサイクルショップでは建材の買取は期待できませんが、建材専門の店舗であれば需要があるため、売却が可能です。

売却が成立すれば処分費用がかからないだけでなく、収益を得ることができます。

カタニャン

事前にブロックのサイズや種類、状態を確認して、店舗に問い合わせてみよう!

メリット デメリット
処分費用がかからず収入になる 専門ショップが少ないため見つけにくい
再利用してもらえる 状態がよくないと売れない

方法5:フリマアプリやネットオークションで売却する

処分に費用をかけたくなく、時間と手間をかけてでも売却したい場合は、フリマアプリやネットオークションなどを利用する方法もあります。

特に、ガーデニングやDIYの資材としてコンクリートブロックは一定の需要があるため、比較的早く引き取り手が見つかる傾向があります。

注意

ただし、コンクリートブロックは重いため、運搬・郵送の手間がかかるうえ、送料が高額になる点に注意が必要です。事前にどちらが送料を負担するか、明確にしておきましょう。

送料がかからないように「直接引き取りに来れる方のみ」という条件で出品することもできます。

メリット デメリット
処分費用が0円で済む 売却・譲渡が成立するまでに時間がかかる場合がある
運搬の手間がかからないことが多い トラブルを避けるためブロックの状態を正確に伝える必要がある

方法6:友人や知人、近所の人に譲渡する

少量のコンクリートブロックで、かつ状態がよければ、友人・知人、または近所の人に直接声をかけて譲るのが最もシンプルで簡単方法です。

カタニャン

地域の掲示板やSNSのコミュニティを活用すれば、より多くの人に声をかけることができて、スムーズに引き取り手が見つかる可能性が高いよ!

花壇づくりやガーデニング、DIYを楽しむ人にとっては、ブロックは再利用価値の高い資材のため、意外とすぐに譲り先が見つかることもあります。

注意

ただし、譲った後に「やっぱり処分してほしい」と言われたり、破損や汚れに関してクレームが出たりしないよう、譲渡後の扱いについては事前にしっかり確認しておきましょう。

メリット デメリット
処分費用が一切かからない 譲り先を見つける必要がある
手続きが不要で最も手軽 譲渡後のトラブルに発展しないよう注意が必要

コンクリートブロックの処分前に知っておくべき重要事項

コンクリートブロックの処分を検討するにあたり、法的・安全上の重要な注意点を改めて確認しておきましょう。

コンクリートブロックは「産業廃棄物」扱い

コンクリートブロックは、「廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃棄物処理法)」において、「がれき類」として分類され、産業廃棄物の一種と見なされます。そのため、コンクリートブロックの処分は、地方自治体ではなく、専門の業者に依頼することが原則です。

注意

例え個人宅から出たものであっても、粗大ゴミや不燃ゴミとして回収することはできません。廃棄する場合は、必ず産業廃棄物処理業の許可を持つ業者か、回収が認められている外構業者や許可を持つ不用品回収業者を利用し、適正な処理をすることが求められます。

「ハンマーで細かく砕けば、燃えないゴミで出せるのでは?」と考える方がいるかもしれませんが、これは間違いです。コンクリートブロックは、どれだけ細かく砕いてもコンクリートであり、産業廃棄物であることに変わりはありません。性質が変わらない以上、処分方法のルールも同じです。

カタニャン

無理に砕く作業は、怪我のリスクが非常に高いため、絶対にやめよう!

不法投棄は厳禁!重い罰則が科せられる

コンクリートブロックを山や空き地、他人の敷地内、または自分の敷地の土中に埋める行為は、不法投棄として法律で厳しく禁止されています。

廃棄物処理法第25条には、不法投棄を行った個人に対して「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」という罰則が規定されています。必ず正式なルートで処分しましょう。

重さによる怪我のリスクに注意する

コンクリートブロックは一個の重量が大きいため、運搬や積み下ろしの際には、怪我に細心の注意を払う必要があります。

ポイント

一般的なサイズのコンクリートブロックは、1個あたり約10kg~20kgの重量があり、水分を含んだり泥が付着したりすればさらに重くなります。これを積み下ろしする作業は、腰痛や落下による骨折など、重大な怪我につながるリスクが非常に高いです。

重いと感じた場合は、費用がかかっても運び出しまで任せられる不用品回収業者や外構業者への依頼を強くおすすめします。

コンクリートブロックの処分でよくある質問

コンクリートブロックの処分は、法律や業者選びなどわかりづらい点が多いものです。ここでは、実際に寄せられることの多い質問をまとめ、わかりやすく回答します。

少量のコンクリートブロックでも業者に依頼できますか?

はい、少量でも依頼可能です。ただし、業者によっては最低料金が設定されているため、ブロック数が少ない場合は割高になることがあります。

数個程度であれば、ホームセンターでの引き取りや知人への譲渡も検討するとよいでしょう。

自治体のゴミ処理施設に持ち込めますか?

自治体によって対応が異なります。多くの地域ではコンクリートブロックを一般ゴミとして受けつけていませんが、産業廃棄物処理施設と提携している自治体では、個人搬入を受け入れているケースもあります。

事前に市区町村の環境課または清掃事務所に確認しましょう。

DIYなどで出たブロックも産業廃棄物になるのですか?

はい、なります。業者が出したものだけでなく、個人がDIYで出したブロックも同様に産業廃棄物として扱われます。家庭から出たものであっても、自治体の通常ゴミには出せません。

費用をできるだけ抑えるにはどうすればいいですか?

費用をできるだけ抑えたい場合は、次の方法を検討してみてください。

  • 友人・知人に譲る(無料で処分可能)
  • フリマアプリで出品する(ガーデニングなどで需要あり)
  • ホームセンターでの引き取りを確認する(購入時のレシートがあれば無料のことも)

法律を守ってコンクリートブロックを正しく安全に処分しよう

ここまで、コンクリートブロックを処分するためのさまざまな方法と、その背景にある法律や注意点について解説してきました。コンクリートブロックの処分は、手間がかかるように思うかもしれませんが、正しい方法を知っておけば、安心かつスムーズに進めることができます。

不法投棄や誤った処分をしてしまうと、思わぬトラブルや罰則に発展する可能性がありますが、信頼できる業者や正規のルートを利用すれば、その心配はありません。

最適な処分方法は、ブロックの量や状態、あなたが何を優先するかによって変わります。最も重要なことは、「コンクリートブロックは産業廃棄物であり、自治体の通常ゴミには出せない」という基本ルールを理解することです。

どの方法を選ぶ場合でも、コンクリートブロックは非常に重く、落下してしまうと大きな事故につながります。運搬や作業の際は、必ず厚手の手袋を着用し、足元を保護する靴を履くなど、安全対策を万全にしてください。

法律と安全のルールを守り、ご自身の状況に合った最適な方法で、正しく処分を進めましょう。