ピアノの処分方法7選!後悔しない手放し方を徹底解説

ピアノの処分方法7選!後悔しない手放し方を徹底解説

かつては美しい音色を奏でていたピアノも、お子様の成長とともに、今ではすっかりリビングや実家の置物になっていませんか?「処分したいけど、大きくて重いしどうすればいいの?」「費用がすごく高そう…」と、処分方法に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。

ピアノは、ブランドや状態によっては高値で売れる可能性があり、処分するにしても専門的な知識が必要です。何も知らずに処分を進めると、想定外の高額な費用がかかって後悔するケースも少なくありません。

この記事では、ピアノの処分方法6選と、処分の前に必ず確認すべき3つのこと解説しますまた、ピアノを少しでも高く売るコツやよくある質問も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ピアノの処分方法6選

まずは、ピアノを処分するための7つの方法について、それぞれの特徴を一覧表で確認してみましょう。ピアノの種類や状態、かけられる手間などを考慮して、最適な方法を探してみてください。

処分方法 費用目安 手間 おすすめな人
ピアノ買取専門業者に売却 0円(収益あり) ・適正価格で売りたい人
楽器店で下取り・売却 0円(収益あり) ・新しい楽器の購入を検討している人 
フリマアプリ・オークションで売却 0円(収益あり) × ・とにかく高値で売りたい人 
知人・施設に譲渡・寄付 0円~数万円(運搬費) ・誰かに譲りたい人 
不用品回収業者に依頼 3万円~10万円程度 ・他の不用品も処分したい人 
粗大ゴミとして処分 数百円~2,000円程度 ・電子ピアノを持っている人

※手間:○=手間ゼロ・△=やや手間がかかる・×=手間がかかる

方法1:ピアノ買取専門業者に売却する

もしお持ちのピアノがヤマハやカワイといった有名メーカーのもので、致命的な故障がなければ、まずはピアノ買取専門業者に査定を依頼するのが最もおすすめです。

カタニャン

思わぬ高値で買い取ってもらえる可能性があるので、一度査定しもらうのがおすすめだよ!

最大のメリットは、査定から最も大変な「搬出作業」まで、すべてプロが一貫して行ってくれる点です。重さ200kgを超えるピアノを、家に傷をつけずに運び出す技術は、専門業者ならではです。

ポイント

ネットでメーカー名や製造番号などを入力するだけで、複数の業者の査定額を比較できる「一括査定サイト」が便利です。自宅にいながら、1番高く買い取ってくれる業者を簡単に見つけられます。

メリット デメリット
・専門知識で適正な高価買取が期待できる ・ノーブランドや状態が著しく悪いものは買取不可の場合がある
・大変な搬出作業をすべてプロに任せられる ・業者によって査定額にばらつきがある

方法2:楽器店で下取り・売却する

ピアノを販売している楽器店で下取り・売却する方法もあります。特に、新しいピアノや電子ピアノへの買い替えを検討している場合は、購入と処分が一度に済むため非常にスムーズです。

ただし、買取専門業者に比べると査定額は低くなる傾向があります。あくまで買い替え時の手間を省くための選択肢と考えるとよいでしょう。

メリット デメリット
・新しい楽器の購入と同時に処分できる ・買取専門業者に比べて査定額が低くなる傾向がある
・近所の馴染みの店で相談できる安心感がある ・店舗によっては下取りのみで、買取は行っていない場合がある

方法3:フリマアプリ・ネットオークションで売却する

個人間で売買するため、業者を通すよりも高値で売れる可能性があるのがフリマアプリやネットオークションを利用する方法です。

しかし、ピアノに関しては最も手間とリスクが高い方法であり、あまりおすすめできません。最大の難関は「運送」です。ピアノの運送料は数万円から、距離や搬出状況によっては10万円以上かかることもあります。

この高額な送料をどちらが負担するのか、どの専門業者に依頼するのかを購入者と交渉する必要があり、トラブルの元になりがちです。

注意

搬出・搬入時に家に傷がついた場合の責任問題など、個人間取引では解決が難しい問題が多いため、ピアノの売買はなるべくプロの業者に任せるのが賢明です。

メリット デメリット
・業者よりも高値で売れる可能性がある ・運送費の交渉や手配が非常に大変
・希少価値のあるピアノが評価されやすい ・搬出時の事故や支払いなど個人間トラブルのリスクが高い

方法4:知人・施設に譲渡・寄付する

「お金にならなくてもいいから、誰かに大切に使ってほしい」という場合は、譲渡や寄付をするという選択肢があります

これからピアノを習う親戚や知人、あるいは地域の幼稚園、保育園、福祉施設などでピアノを探している場合があります。ただし、この方法でも課題になるのが運搬費用です。

カタニャン

譲渡する側と受け取る側、どちらが運搬費用を負担するのかを事前にしっかりと話し合っておこう!

また、施設への寄付を考えている場合は、必ず事前に電話などで連絡し、ピアノの受け入れが可能かどうか、設置スペースはあるかなどを確認する必要があります。

メリット デメリット
・大切にしてきたピアノを役立ててもらえる ・譲渡先や寄付先を自分で探す必要がある
・相手に喜ばれ、気持ちよく手放せる ・高額な運搬費用をどちらが負担するか決める必要がある

方法5:不用品回収業者に依頼する

引っ越しや家の解体に伴い、ピアノ以外にもたくさんの不用品をまとめて処分したい場合には、不用品回収業者への依頼が便利です。分別不要で、希望の日時にすべて運び出してくれる手軽さが魅力です。

しかし、費用は他の方法に比べて最も高額になる傾向があります。また、不用品回収業者の中には、ピアノのような重量物の扱いに慣れていない業者もいます。

不用品回収業者を選ぶ際は、次のポイントを確認しましょう。

  1. 許可を取得しているか
    「一般廃棄物収集運搬業許可」を持つ正規業者を選びましょう。無許可業者に依頼すると、不法投棄や高額請求のトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
  2. ピアノの取り扱い実績があるか
    ピアノは非常に重量があり、運搬には専門的な知識と道具が必要です。過去にピアノの搬出・回収を行った実績がある業者なら、傷や事故のリスクを大幅に減らせます。
  3. 見積もり内容が明確であるか
    回収費用の内訳(搬出作業費・運搬費・処分費など)が明確に提示されているかを確認しましょう。電話やメールだけでなく、現地見積もりをしてくれる業者のほうが安心です。
  4. 口コミ・評判をチェックする
    Googleマップや口コミサイトで実際の利用者の声を確認するのも効果的です。作業の丁寧さや対応スピード、料金トラブルの有無を見ておきましょう。

一社だけで決めず、2〜3社以上から見積もりを取るのがおすすめです。相場感がつかめるだけでなく、交渉によって料金を下げられる場合もあります。

メリット デメリット
・他の不用品とまとめて一度に処分できる ・処分費用が他の方法より高額になる
・分別や搬出の手間が一切かからない ・悪質な業者とのトラブルのリスクがある

方法6:自治体の粗大ゴミとして処分する

電子ピアノなら自治体の粗大ゴミとして処分することが可能です。手数料は数百円から2,000円程度と非常に安価ですが、自分で指定の場所まで運び出す必要があります。

グランドピアノ・アップライトピアノは、自治体の粗大ゴミとしては処分できません。重さが200kgを超え、専門的な解体・搬出が必要なため「処理困難物」に指定されています。

注意

電子ピアノが粗大ゴミの対象となるかどうかは、自治体によって異なります。お住まいの自治体のホームページで「電子ピアノ 処分」などと検索して、ルールを確認してから捨てましょう。

メリット デメリット
・(電子ピアノの場合)処分費用が最も安い ・アコースティックピアノは絶対に対象外
・自治体のルールなので安心 ・自分で集積所まで運ぶ必要がある

ピアノの処分の前に必ず確認すべき3つのこと

どの処分方法を選ぶにしても、まずはご自身のピアノの情報を正確に把握することが最初のステップです。この情報があるかないかで、査定や処分の依頼がスムーズに進むかが決まります。

1. ピアノの種類

ピアノには大きく分けて3つの種類があり、それぞれ処分方法や費用が大きく異なります。

  • グランドピアノ
    弦が水平に張られた奥行きのあるピアノ。専門的な技術での解体・搬出が必要。
  • アップライトピアノ
    弦が垂直に張られた一般的な家庭用ピアノ。重さが200kg以上あり、搬出には専門業者必須。
  • 電子ピアノ
    電源が必要な鍵盤楽器。アコースティックピアノとは全く異なり「大型家電」に近い扱いです。

2. メーカー名・機種名・製造番号

ピアノのメーカー名・機種名・製造番号は価値を知るうえで最も重要なポイントです。査定を依頼する際には必ず聞かれますので、事前に調べてメモしておきましょう。

アップライトピアノの場合、1番上の屋根のような蓋を開けると、フレームの右側か中央に刻印されています。

  • メーカー名: YAMAHA(ヤマハ)、KAWAI(カワイ)など
  • 機種名: U1、U3、UXなど(アルファベットと数字の組み合わせ)
  • 製造番号: 4~7桁程度の数字

カタニャン

この3つの情報が分かれば、電話やネットでもおおよその査定額がわかるよ!

3. ピアノの状態

ピアノの現在の状態も査定額に影響します。以下の点を事前に確認しておきましょう。

  • 外装: 大きな傷やへこみ、日焼けによる変色はないか。
  • 鍵盤: すべての鍵盤から正常に音が出るか。戻りが悪い鍵盤はないか。
  • ペダル: 正常に機能するか。
  • 内部: 弦のサビやホコリの状態。
  • 付属品: 専用の椅子、ピアノカバー、鍵、メトロノームなどの有無。

長年調律をしていない場合は、正直にその旨を伝えましょう。

ピアノの処分で少しでも高く売るコツ

どうせ手放すなら、少しでも高く買い取ってもらいたいものです。査定前に以下のポイントをチェックしておきましょう。

  1. 綺麗な状態にしておく
    査定員が訪問する前に、外装のホコリを払い、鍵盤を柔らかい布で拭いておきましょう。ピアノ専用のワックスなどで磨いておくと、見た目の印象が格段によくなります。
  2. 付属品を揃える
    購入時についてきた専用の椅子(特に高さ調節可能なもの)、ピアノカバー、鍵、メトロノーム、インシュレーター(ピアノの脚の下に敷く皿)などが揃っているとプラス査定の対象となります。
  3. メンテナンス履歴を伝える
    定期的に調律を行っていた場合は、そのことがわかる調律カードなどがあれば提示しましょう。きちんとメンテナンスされてきたピアノとして評価が上がることがあります。

ピアノの処分に関するよくある質問

ピアノの処分には費用や方法など、意外と分かりにくい点が多いものです。ここでは、よく寄せられる質問とその答えを分かりやすくまとめました。

壊れて音が出ない、傷だらけのピアノでも売れますか?

ヤマハやカワイといった人気メーカーのピアノであれば、買い取ってもらえる可能性は十分にあります

たとえ音が出なくても、外装に傷が多くても、海外での修理・再販ルートや、部品取りとしての需要があるため、まずは無料査定を申し込んでみましょう。

搬出経路が狭いのですが、運び出せますか?

専門の買取業者や処分業者は、搬出のプロなので運び出しは可能です。廊下が狭い、階段しかないといった場合でも、ピアノを立てたり、場合によっては解体したりして運び出す技術を持っています。

注意

ただし、窓からの吊り下げ(クレーン作業)が必要になる場合は、数万円の追加料金がかかることが一般的です。

査定の申し込み時に、家の状況(マンションの階数、エレベーターの有無、玄関前の道幅など)を正確に伝えることが重要です。

電子ピアノの処分方法はアコースティックピアノと違いますか?

はい、全く異なります。電子ピアノは「大型の電子楽器・家電」という扱いです。

ピアノ買取専門業者だけでなく、リサイクルショップや楽器買取店など、幅広い業者が買取対象としています。また、前述のとおり、自治体の粗大ゴミとして安価に処分できる場合も多いです。

処分費用をできるだけ安く抑えるにはどうすればいいですか?

最も安く済む方法は「売却する」ことです。まずは買取専門業者の一括査定を利用して、ご自身のピアノに値段がつくかを確認しましょう。売れれば処分費用はゼロ、逆にお金が手に入ります。

もし値段が付かずに処分することになった場合でも、複数の業者から見積もりを取って比較することで、最も安い業者を見つけることができます。

思い出のピアノと気持ちよくお別れしよう

ピアノの処分方法には、買取・譲渡・粗大ゴミなどさまざまな選択肢がありますが、それぞれにメリットと注意点があります。大切なのは、「ピアノの状態」「目的」「予算」に合った方法を慎重に選ぶことです。

長年家族とともに過ごしてきたピアノは、思い出の詰まった大切な楽器。だからこそ、「できるだけよい形で手放したい」「無理なく費用を抑えたい」と考えるのは自然なことです。

処分を急ぐと、相場より高い費用を払ってしまったり、本来なら買取可能だったピアノを処分してしまったりすることもあります。そうならないためにも、まずは複数の業者に見積もりを取り、相場を把握することが後悔しない第一歩です。

信頼できる業者に任せ、感謝の気持ちを込めて、納得のいく形でお別れしましょう。