引っ越しや大掃除を機に本を整理しようと思っても、「どうやって処分すればいいの?」「ただ捨てるのはなんだか罪悪感がある…」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、本の処分方法には「捨てる」以外にもたくさんの選択肢があります。価値ある本を「売って」お小遣いにしたり、誰かのために「寄付して」役立てたりすることも可能です。
この記事では、本の処分方法8選と費用相場と本を処分する前のチェックポイントを解説します。また、本を処分するタイミングや、高く買い取ってもらうコツも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
本の処分方法8選
まずは、これからご紹介する8つの処分方法を一覧表にまとめました。それぞれの方法がどんな人におすすめなのか、費用や手間はどのくらいかかるのか、全体像を把握してみましょう。
処分方法 | 費用 | 手間 | メリット | おすすめな人 |
自治体の資源ごみ | 無料 | △ | 無料で確実に処分できる | 手間を惜しまず、コストをかけたくない人 |
古紙回収ボックス | 無料 | △ | 好きな時間に処分できる | 自治体の回収日まで待てない人 |
不用品回収業者 | 有料 | ◎ | 大量の本や他の不用品も一度に処分できる | 引っ越しなどでとにかく楽に処分したい人 |
宅配買取サービス | 無料 | ○ | 自宅で完結する、手間が少ない | 大量の本を手間なく売りたい人 |
古本屋・リサイクルショップ | 無料 | △ | すぐに現金化できる | 冊数が少なく、すぐにお金にしたい人 |
フリマアプリ | 無料(手数料・送料別) | × | 高く売れる可能性がある | 手間をかけてでも1円でも高く売りたい人 |
団体・施設に寄付 | 無料(送料がかかる場合も) | △ | 社会貢献ができる | 読まなくなった本を役立ててほしい人 |
友人・知人に譲る | 無料 | ○ | 気軽に手放せる | 周りに本を欲しがっている人がいる人 |
※手間:○=手間ゼロ・△=やや手間がかかる・×=手間がかかる
方法1:自治体の資源ごみとして出す
最も身近で基本的な処分方法が、自治体の資源ごみとして出す方法です。費用がかからず、確実に処分できるのが大きなメリットです。
本は「燃えるごみ」ではなく、リサイクル可能な「資源ごみ」に分類されるため、お住まいの地域のルールを必ず確認してください。
本を資源ごみとして出す手順
- 自治体のホームページまたは電話で申し込み
- 粗大ごみ処理券(シール)を購入
- 処理券に必要事項を記入して貼る
- 指定された日時・場所に出す
-
収集後に確認
カタニャン
- 紙紐(ビニールひもではなく紙製)で十字にしっかり縛る
- 雨に濡れないように出す日を調整する
水に濡れてしまった本や、汚れ・カビがひどい本は「燃えるごみ」として処分します。再生紙としてリサイクルすることができないため、資源ごみとして出しても回収工程で利用できません。
メリット | デメリット |
費用が一切かからない | 収集日が決まっている |
確実に処分できる | 自分で紐で縛る手間がかかる |
環境にやさしい | 指定の場所まで運ぶ必要がある |
方法2:古紙回収ボックスを利用する
「自治体の回収日まで待てない」「好きなタイミングで処分したい」という方には、スーパーや公共施設などに設置されている古紙回収ボックスが便利です。
古紙回収ボックスの多くは24時間いつでも利用でき、無料で本を処分できます。こちらも資源ごみ同様、リサイクルに回されるため、環境にやさしい方法と言えるでしょう。車があれば、ある程度の量を一度に持ち込むことも可能です。
メリット | デメリット |
好きな時間に処分できる | 設置場所まで運ぶ必要がある |
費用がかからない | 車がないと大量に運ぶのは大変 |
ポイントが貯まる場合がある | 準備が必要な場合がある |
方法3:不用品回収業者に依頼する
引っ越しや大規模な断捨離で、本以外にも家具や家電など、処分したいものがたくさんある場合に頼りになるのが不用品回収業者です。
費用はかかりますが、電話やウェブで申し込むだけで自宅まで回収に来てくれるため、手間が全くかからないのが最大の魅力です。重い本を運び出す必要もなく、分別や梱包も不要な場合が多いです。
ただし、手軽な反面、業者選びは慎重に行う必要があります。注意点として、まず「一般廃棄物収集運搬業」の許可を得ているかを確認しましょう。
カタニャン
また、料金体系も重要です。「トラック積み放題」などのプランがお得に見えても、基本料金以外に出張費や階段料金などの追加費用がかかるケースがあります。必ず事前に複数の業者から書面で見積もりを取り、料金の内訳を細かく確認しましょう。
メリット | デメリット |
手間が一切かからない | 費用がかかる |
日時を指定できる | 業者選びを慎重に行う必要がある |
他の不用品もまとめて処分できる | 単品だと割高になることがある |
方法4:宅配買取サービスで売る
「本を売りたいけれど、お店に持っていくのは面倒」という方にぴったりなのが、宅配買取サービスです。
インターネットで申し込み、売りたい本を段ボールに詰めて送るだけで査定・買取してもらえます。段ボールを無料で提供してくれたり、自宅まで集荷に来てくれたりするサービスが多く、家にいながらすべて完結するのが魅力です。
ブックオフオンラインやネットオフなど、多くの業者が宅配買取サービスを提供しています。
メリット | デメリット |
自宅で全て完結し手間が少ない | 入金までに時間がかかることがある |
大量の本も一度に売れる | 査定額が低い場合がある |
送料無料・梱包材無料の業者が多い | 返送料が自己負担になる場合がある |
方法5:古本屋・リサイクルショップに持ち込んで売る
昔ながらの方法ですが、古本屋やリサイクルショップの店舗に直接持ち込んで売るのも一つの手です。
最大のメリットは、査定が終わればその場ですぐに現金を受け取れること。急いでお金が必要な場合には便利です。
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メリット | デメリット |
その場で現金化できる | 大量の本を運ぶのが大変 |
少量からでも気軽に売れる | 買取価格が安価な傾向がある |
対面でやり取りできる安心感 | 値段がつかない場合がある |
方法6:フリマアプリやオークションで売る
少しでも高く売りたい場合は、フリマアプリやネットオークションを利用してみるのもおすすめです。メルカリなどが代表的です。
自分で価格を設定できるため、古本屋では値段がつかないような専門書や、絶版になった本が思わぬ高値で売れる可能性があります。
ただし、本の撮影、説明文の作成、購入者とのやり取り、梱包、発送といった一連の作業をすべて自分で行う必要があり、手間と時間がかかることは覚悟しておく必要があります。
メリット | デメリット |
高く売れる可能性がある | 出品から発送まで手間と時間がかかる |
希少な本も売れるチャンスがある | 個人間トラブルのリスクがある |
自分で価格を決められる | 必ず売れるとは限らない |
方法7:団体・施設に寄付する
「お金にはならなくても、本を誰かに役立ててほしい」と考えるなら、寄付という選択肢があります。
NPO団体や地域の図書館、学校、児童養護施設などが本の寄付を受け付けている場合があります。寄付された本が子どもたちの手に渡ったり、団体の活動資金になったりと、社会貢献につながる素晴らしい方法です。
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メリット | デメリット |
社会貢献ができる | 送料が自己負担になる場合がある |
捨てる罪悪感がない | 寄付できる本の種類に条件がある |
必要としている人に本を届けられる | 手続きに手間がかかることがある |
方法8:友人・知人に譲る
友人や知人に譲るという方法もあります。まずは身近な友人や知人、会社の同僚など、読書が好きな人に声をかけて、欲しい本がないか聞いてみましょう。大切にしていた本を、知っている相手に直接手渡せるのは嬉しいものです。
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この方法であれば、送料もかからず、自宅近くで直接手渡しできるため、梱包の手間もありません。ただし、希望者とのメッセージのやり取りや、受け渡しの日時・場所の調整などを自分で行う必要があります。
メリット | デメリット |
気軽に手放せる | 譲る相手が見つからない場合がある |
費用や手間がほとんどかからない | 相手の好みを考える必要がある |
相手に喜んでもらえる | 大量の本を一度に譲るのは難しい |
本を処分する前に!個人情報漏洩を防ぐ2つのチェックポイント
本を処分する方法を決めたら、手放す前に必ず確認してほしいことがあります。それは個人情報のチェックです。思わぬところに大切な情報が残っているかもしれません。
名前や住所などの書き込みがないか確認する
処分する前には、必ず表紙の裏や最初のページなどを確認しましょう。学生時代の教科書や参考書、人からプレゼントされた本などには、名前や日付が書き込まれていることがあります。
気づかないまま手放してしまうと、個人情報が第三者の手に渡ってしまう危険性があります。もし書き込みを見つけたら、マジックで塗りつぶす、個人情報保護スタンプを使う、あるいはその部分だけ切り取るなどの対策をしてください。
手紙や写真などが挟まっていないか確認する
本のしおり代わりに、友人からの手紙や写真、レシートなどを挟んだ経験はありませんか?忘れた頃に、そうしたものが本のページの間から出てくることがあります。
特に思い出の品が挟まったままになっていないか、処分前にはパラパラとページをめくって最終確認をする習慣をつけましょう。
本を処分するタイミングはいつがいい?
「本の整理が必要なのはわかっているけど、なかなかきっかけが掴めない…」という方もいるでしょう。ここでは、本の処分に最適なタイミングをいくつかご紹介します。
引っ越し・大掃除・模様替えのとき
引っ越しや大掃除、部屋の模様替えは、持ち物を整理するのに絶好の機会です。特に引っ越しは、荷物の量に比例して料金が高くなるため、不要な本を運ぶのは金銭的にも大きな負担となります。
新居に持っていく本を厳選する作業は、今の自分にとって本当に必要なものを見極める良い機会にもなります。新しい生活をすっきりとした気持ちでスタートするためにも、この機会を活かして本棚を整理しましょう。
1年以上読んでいないとき
「いつか読むかもしれない」という本は、その「いつか」が来ないまま何年も本棚に眠っていることが多いものです。一つの基準として、「1年以上一度も開いていない本」は処分の対象と考えてみるのがおすすめです。
季節の変わり目や年末など、定期的に本棚をチェックする「棚卸し」の日を決めて、今の自分にとって本当に必要か問いかける習慣をつけることで、本が増えすぎるのを防げます。
ライフステージが変わったとき
卒業、就職、結婚、出産、転職といったライフステージの変化は、必要な本が大きく変わるタイミングであり、本を見直すのに最適です。
例えば、学生時代に読み込んだ専門書や資格の参考書、独身時代に熱中した趣味の本が、社会人になったり家族が増えたりすると、役目を終えていることも少なくありません。
自分の環境や価値観の変化に合わせて、本棚もアップデートしていくことは、過去の自分を整理し、新しいステージへ進むための準備ともいえるでしょう。
本をできるだけ高く買い取ってもらうコツ
せっかく売るのであれば、少しでも高く買い取ってもらいたいですよね。査定額をアップさせるためのコツを4つご紹介します。
きれいな状態で査定に出す
査定において最も重視されるのが本の「状態」です。同じ本でも、状態が良いだけで査定額は大きく変わります。
査定に出す前には、乾いた柔らかい布で表紙カバーの指紋や汚れ、本の上部に積もったホコリを優しく拭き取りましょう。消しゴムで消える程度の軽い鉛筆の書き込みは、きれいに消しておくだけで印象が良くなります。
ただし、強くこすって紙を傷つけないように注意が必要です。日頃から直射日光を避けて保管することも、本の価値を保つ上で重要です。
帯や付属品も一緒に売る
本の価値は、本体だけではありません。特にコレクター要素の強い漫画や画集、初回限定版の小説などは、購入時に付いていた「帯」の有無が査定額に大きく影響します。
また、CDやDVD、特典のポストカードやしおりといった付属品がすべて揃っている状態であれば、査定額はさらにアップします。
新作・人気作はできるだけ早く売る
本の買取価格は、市場の需要と供給によって常に変動しています。特に、発売されたばかりの新作小説やビジネス書、映画化やドラマ化で話題になっている作品は需要が高く、高価買取が期待できます。
旬を過ぎると買取価格は一気に下がってしまうため、「読み終わったらすぐに売る」のが鉄則です。迷っている間に価値が下がってしまうことも多いため、話題性のある本ほどスピーディーな判断が求められます。
複数の店舗で査定額を比較する
同じ本であっても、買取業者によって査定基準や在庫状況が異なるため、買取価格には差が出ます。例えば、漫画やゲームに強い業者、学術書や専門書を高く評価する業者など、それぞれに得意なジャンルがあります。
カタニャン
最近では、オンラインで簡単に事前査定ができるサービスや、複数の業者に一括で査定を依頼できる比較サイトもあるため、積極的に活用してみましょう。
本の処分でよくある質問
最後に、本の処分に関してよく寄せられる質問にお答えします。
漫画や雑誌も同じ方法で処分できますか?
はい、基本的にはこの記事で紹介した方法で処分できます。ただし、それぞれに特有の注意点があります。
漫画は、1巻から最終巻まで全巻揃っていると価値が上がり、高価買取が期待できます。逆に、途中の巻が抜けていると、値段がつきにくくなる傾向があります。
一方、週刊誌や月刊誌などの雑誌は、情報の鮮度が命であるため、発売から時間が経つとほとんど価値がなくなってしまいます。そのため、よほど希少価値のある創刊号や特集号でない限り、買取は期待せず、資源ごみとして処分するのが一般的です。
汚れたり破れたりした本はどうすればいい?
ページの汚れや破れなどがあり、本の状態が著しく悪い場合は、残念ながら売ることも寄付することも難しいでしょう。買い取っても再商品化できず、寄付しても受け取った側に迷惑がかかってしまうためです。
このような本は、リサイクル資源として役立ててもらうことを考え、自治体のルールに従って「資源ごみ」として処分してください。ただし、あまりに汚れがひどい場合は、資源ごみとして回収してもらえない可能性もあるため、その場合は可燃ごみとして出すなど、地域のルールに従いましょう。
大量の本を処分するときの注意点は?
大量の本はかなりの重量になります。複数の段ボールに分けるか、丈夫な台車を利用して運びましょう。
無理に一つの大きな段ボールに詰め込むと、持ち上げた際に底が抜けたり、腰を痛めたりする危険があります。
資源ごみとして出す場合、一度に大量に出すと収集作業の妨げになったり、近隣の迷惑になったりする可能性があるため、数回に分けて出すなどの配慮も大切です。
宅配買取を利用する際も、業者によっては一度に送れる箱数や、一箱あたりの重量に上限が設けられている場合があるので、事前に公式サイトなどで確認しておくとスムーズです。
自分に合った本の処分方法を選んで、すっきり心地よい空間にしよう
本の処分には、「捨てる」だけでなく、売る・譲る・寄付する・リサイクルするといったさまざまな選択肢があります。
時間をかけずにすぐ片付けたいなら自治体の資源ごみや古紙回収ボックスへ、手軽にお金に変えたいなら宅配買取や古本屋へ、そして思い出の詰まった本を誰かに活かしてほしいなら寄付や譲渡を選ぶのも素敵です。
また、処分前には名前の書き込みや写真などの個人情報の確認を忘れずにしましょう。きれいな状態で査定に出すなど、ちょっとした工夫で買取価格を上げることもできます。
読み終えた本を手放すことは、決して「もったいない」ことではありません。あなたにとっての役目を終えた本が、次の誰かの手に渡り、新しい価値を生み出すかもしれません。
本を整理して気持ちもすっきりと整え、心地よい空間で毎日を気持ちよく過ごしましょう。