チャイルドシートを処分する方法7選|費用と手間を徹底比較

チャイルドシートを処分する方法7選|費用と手間を徹底比較

子どもの成長は喜ばしいものですが、同時にサイズが合わなくなったベビー用品の処分は、多くのご家庭にとって悩みの種ではないでしょうか。中でもチャイルドシートは、大きくて頑丈なため「どうやって捨てればいいの?」と処分方法に困ってしまいますよね。

チャイルドシートは、一般的な不用品と異なり、子どもの命を守るための”安全器具”です。そのため、処分やリユースを検討する際には、費用や手間だけでなく、製品の「耐用年数」などの安全性も考慮する必要があります。

この記事では、チャイルドシートの処分方法7選と、処分前に知っておくべき重要事項を解説します。また、よくある質問も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

チャイルドシートの処分方法7選

チャイルドシートの処分方法を7つご紹介します。ご自身のチャイルドシートの状態や優先したい条件に合わせて最適な方法を選んでください。

処分方法 費用の目安 手間 おすすめな人
自治体の粗大ゴミ 200円~500円程度 費用を抑えて確実に処分したい人
自治体の一般ゴミ 0円(袋代のみ) × 解体作業が苦にならない人
不用品回収業者 1,000円~3,000円~ 手間をかけずに処分したい人
リサイクルショップ 0円(収益あり) 手軽に現金化したい人
フリマアプリ・ネットオークション 0円(収益あり) × 少しでも高く売りたい人
NPO団体などへ寄付 送料自己負担 リユースしてほしい人
友人・知人に譲る 0円 身近な人に譲りたい人

※手間:○=手間ゼロ・△=やや手間がかかる・×=手間がかかる

方法1:自治体の粗大ゴミに出す

チャイルドシートの処分方法として最も一般的でコストを抑えられるのが、自治体の粗大ゴミ収集サービスを利用することです。多くのチャイルドシートは、自治体の粗大ゴミの基準に該当します。

処分費用は自治体やチャイルドシートのサイズによって異なりますが、200円〜500円程度と非常に安価です。

粗大ゴミ収集に出す手順

  1. 収集を申し込む
    自治体の粗大ゴミ受付センターに電話またはインターネットで申し込みを行い、収集日と料金を確認します。
  2. 処理券を購入する
    案内された料金分の「粗大ゴミ処理券」(シール)をコンビニや郵便局などで購入します。
  3. 処理券を貼りつける
    チャイルドシートの目立つ箇所に処理券を貼りつけ、確認した受付番号などを記入します。
  4. 指定場所に運び出す
    収集日の朝、指定された時間までに、指定の収集場所へ運び出します。
メリット デメリット
費用が安価で、最も一般的な処分方法 収集日までに時間がかかる(予約が必要)
自力で運び出しが必要(重労働ではないが手間) 事前の申し込みや処理券の購入が必要

方法2:自治体の一般ゴミ(不燃ゴミ・可燃ゴミ)に出す

チャイルドシートのサイズが比較的小さく、分別・解体が可能であれば、自治体の一般ゴミとして出すことが可能です。

費用は無料で、ゴミ袋代のみで済みますが、解体・分別作業の手間と労力がかかります。チャイルドシートは、硬いプラスチック製の本体(不燃ゴミ)布製のカバーやベルト(可燃ゴミ)など、複数の素材から構成されています。

カタニャン

特に背もたれ部分を取り外せるジュニアシートなどで、利用できる場合があるよ!

お住まいの自治体のルールを確認し、素材ごとに分別して決まった収集日にゴミに出しましょう。

メリット デメリット
処分費用をかけずに済む 解体・分別作業の手間がかかる
収集日が決まっているため処分しやすい 自治体によって分別ルールが異なるため確認必須

方法3:不用品回収業者に依頼する

「子育てで忙しく、運び出しの手間を一切かけられない」「ベビーカーやベビーベッドなど、他のベビー用品もまとめて処分したい」という場合に最も迅速かつ手軽なのが、不用品回収業者への依頼です。

チャイルドシート単体での回収費用は3,000円から5,000円程度が相場ですが、業者によってはお得なパック料金があり、他のアイテムと一緒に出すことで効率よく処分できる場合があります。

自宅からの運び出し、運搬、処分まで全て業者が行うため、依頼者の手間が一切かからないのがメリットです。

注意

ただし、高額請求や不法投棄をする悪質な業者もいるため、信頼できる不用品回収業者を選ぶのが重要です。

不用品回収業者に依頼する際の注意点

  • 一般廃棄物収集運搬業許可」を確認する
    家庭から出る不用品の回収には、自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。許可を持たない業者は不法投棄などのトラブルを起こすリスクがあるため、必ず公式サイトなどで確認しましょう。
  • 追加料金の項目を明確にする
    見積もりの際に、出張費、搬出費用、作業員追加料金など、後から追加で請求される可能性のある費用がないか、事前に明確に確認し、書面で残しましょう。

業者やプランによって料金体系が大きく異なります。最低でも2~3社から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討するのが費用を抑えるポイントです。

メリット デメリット
運び出しを全て任せられるため手間がかからない 他の処分方法に比べ費用が高額になりがち
即日回収など、都合のよい日程で処分できる 悪質な業者を選ばないよう注意が必要

方法4:リサイクルショップで売却する

人気メーカー(コンビ、アップリカ、エールベベ、サイベックスなど)、ISOFIX対応モデルのチャイルドシートで、かつ製造から5年以内の製品は、リサイクルショップで売却して現金化できる可能性が高いです。

買取相場は4,000円〜5,000円程度が目安ですが、人気のハイグレードモデルで状態がよい場合は10,000円〜20,000円以上になることもあります。

カタニャン

総合リサイクルショップよりも、ベビー用品専門のリサイクルショップの方が、製品の価値を適正に評価してくれる可能性が高いよ!

チャイルドシートを高く売るためのポイント

  • 綺麗にする
    シートカバーは全て取り外して洗濯します。ベルトやバックル周辺、プラスチック部分に付いたお菓子カスや手垢などを徹底的に掃除し、清潔な状態で持ち込みましょう。
  • 付属品を全て揃える
    新生児用インナークッション、取扱説明書、サンシェード、購入時の保証書など、付属品の有無は査定額に大きく影響します。

多くのリサイクルショップでは安全性の観点から、買取の基準を「製造から5年程度」としています。

メリット デメリット
費用がかからず、収益を得られる 買取対象外となる場合がある(古い、状態が悪いなど)
出張買取を利用すれば運び出しの手間がない 査定額が期待どおりにならない可能性がある

方法5:フリマアプリやネットオークションで売却する

「リサイクルショップの査定額に納得できない」「手間はかかるが、状態がよいので高く売りたい」という方は、フリマアプリやネットオークションを利用して個人間で取引する方法もあります。

自分で価格を設定できるため、リサイクルショップよりも高い価格で売却できる可能性があります。ただし、最大の課題は高額な送料と梱包の手間です。

注意

チャイルドシートは大型のため、配送料が3,000円〜8,000円以上かかることも多く、利益が残らないこともあります。

売却の際は、「直接引き取り」を条件に出品するか、利益が残るように価格を設定しましょう。

メリット デメリット
自分で価格を設定でき、収益を得やすい 梱包・発送の手間が非常に大きい(高額な送料)
製造年数などの条件が緩やかになる場合がある 売れるまでに時間がかかる場合や、個人間のトラブルリスクがある

方法6:NPO団体などに寄付する

「お金に変えるより、必要としている人のために使ってほしい」という場合は、国内外のNPO団体や支援団体に寄付するという方法があります。

寄付を受けつけている団体は、生活困窮者や開発途上国の子どもたちへチャイルドシートを提供し、リユースに役立てています。

費用は無料ですが、多くの場合、団体の倉庫までの送料は自己負担となります。

ポイント

寄付する際は、団体の活動内容を信頼できるか、チャイルドシートの製造年数や破損がないかといった安全基準を必ず確認しましょう。

メリット デメリット
社会貢献につながる 団体の倉庫までの送料は自己負担となる
確実にリユースしてもらえる 寄付の条件(年式、状態)が厳しい場合がある

方法7:友人や知人に譲る

チャイルドシートの処分に費用や手間をかけたくなく、最も手軽に手放したい場合に最適なのが、友人や知人、親戚などで必要としている人に譲る方法です。

費用は無料で、煩雑な手続きも一切かかりません。もし相手が運搬用の車を持っている、または自宅まで引き取りに来てくれるのであれば、運び出しの労力も最小限で済みます。

注意

ただし、「耐用年数」と「製品の安全基準」については、必ず譲渡する相手に正確に伝え、最終的な使用判断は相手に委ねることが、後々のトラブルを避けるために非常に重要です。

メリット デメリット
処分費用が一切かからず、リユースできる 譲り先がすぐに見つかるとは限らない
手続きが不要で最も手軽 安全性に関する責任を明確にする必要がある

チャイルドシートの処分前に知っておくべき重要事項

チャイルドシートは、一般的な家具や家電と異なり、子どもの命に関わる製品です。処分や譲渡・売却の際には、以下の2つの点を必ず確認しましょう。

チャイルドシートには「耐用年数」がある

チャイルドシートは、素材であるプラスチックやベルトが紫外線や温度変化によって徐々に経年劣化し、本来の衝撃吸収能力を失っていきます。

製造年が古いチャイルドシートは、衝突時に本体の破損や割れが生じるリスクが高くなるため、安全性の観点から廃棄処分が強く推奨されます。

  • 耐用年数の目安は5〜6年
    チャイルドシートの耐用年数は、メーカーによって異なりますが、一般的に製造から5年〜6年程度が目安です。この年数を超えた製品は、たとえ見た目が綺麗であっても安全性が確保できないため、買取や譲渡ではなく、一般ゴミや粗大ゴミとして廃棄処分を行いましょう。
  • 長期保管品や状態が悪いものは廃棄を検討
    長期間保管されていたチャイルドシートは、見えない部分に黒カビが発生していたり、内部の部品が劣化している可能性が高いです。耐用年数に満たない場合でも、保管状態が悪いと判断される場合は、安全のために廃棄処分を検討してください。

カタニャン

製造年月日は、チャイルドシート本体の裏側や側面に貼られた品質表示ラベルに表示があるよ!

不適切な譲渡・売却は安全上のトラブルにつながる

製造年数以外にも、以下の状態のチャイルドシートは、安全性に重大な問題があるため、人への譲渡や売却は避け、必ず自治体のルールに従って廃棄しましょう。

  • 一度でも交通事故に遭っているもの
    目に見えないヒビや内部の変形が生じている可能性があり、衝撃吸収能力が低下しているため、使用は厳禁です。
  • 部品が不足・破損しているもの
    特に安全ベルトのバックル、ISOFIXコネクタ、または説明書がないものは、正しく取りつけられず危険です。
  • リコール対象のもの
    過去に製品リコールが出ていないか、事前に消費者庁やメーカーのホームページで確認しましょう。

チャイルドシートの処分でよくある質問

チャイルドシートの処分は、費用・手間・安全性など考えることが多く、実際に行動に移すときに迷う方も少なくありません。ここでは、読者の方から特によく寄せられる質問をまとめてご紹介します。

チャイルドシートはいつ処分すればいいの?

チャイルドシートの耐用年数は一般的に5〜6年が目安です。製造年月日がそれ以上経過している場合や、事故で衝撃を受けたことがある場合は、見た目が綺麗でも安全性が低下しているため、早めの処分を検討しましょう。

壊れたチャイルドシートでも売ることはできますか?

壊れている、部品が欠けている、ベルトが劣化しているなど安全性に関わる不具合があるものは売却不可です。安全上の理由から、リサイクルショップやフリマアプリでも取引対象外となるため、自治体の粗大ゴミや不用品回収で廃棄してください。

自治体に出す場合、どこに連絡すればいいですか?

お住まいの自治体の粗大ゴミ受付センターまたは市区町村の環境課に電話やWebサイトから申し込みができます。地域によって受付方法や料金、収集日が異なるため、自治体の公式サイトで詳細を確認しましょう。

安全性を最優先に、自分に合った処分方法を選ぼう

ここまで、チャイルドシートを処分するための7つの方法と、絶対に知っておくべき安全上の注意点について解説してきました。

どの方法を選ぶかは、費用を抑えたい、手間をかけたくない、お得に手放したい、あるいは社会貢献をしたいといった、ご自身の優先順位によって決まります。

費用重視なら自治体の収集サービス、手軽さなら不用品回収業者、収益性なら売却、そして誰かに役立ててほしいなら寄付や譲渡が最適な選択となるでしょう。

しかし、どの方法を選ぶうえでも大前提となるのが「安全性の確認」です。チャイルドシートは子どもの命を守る大切な道具です。耐用年数である製造から5〜6年を過ぎたもの、一度でも事故に遭ったもの、部品が破損・不足しているものは、「廃棄処分」を選択することが、最も安全な判断といえます。

この記事を参考に、あなたとご家族にとって最も納得のいく、安全でお得なチャイルドシートの処分方法を見つけてください。