映画やアニメ、音楽ライブのDVDなど、「もう見ないけど、どうやって捨てればいいんだろう…」「ホームビデオのDVDだから、そのまま捨てるのは不安…」とお困りの方も多いのではないでしょうか。
DVDやCDは、映像や個人情報が記録されたメディアであるため、処分する際には情報漏洩に細心の注意を払う必要があります。また、自治体によってゴミの分別ルールが異なるため、正しい知識がないと、気づかないうちにルール違反をしてしまう可能性もあります。
この記事では、DVDの処分方法5つと、DVDのデータを安全に破壊する方法を解説します。また、DVDの処分でよくある質問にも回答しているので、ぜひ参考にしてください。
DVDの処分方法5選
まずは、DVDを処分するための5つの方法について、それぞれの特徴を一覧表で確認してみましょう。DVDの状態や枚数、かけられる手間などを考慮して、ご自身にとって最適な方法を見つけるための参考にしてください。
| 処分方法 | 費用の目安 | 手間 | おすすめな人 |
| 自治体のゴミとして処分する | 0円(ゴミ袋代のみ) | ○ | ・処分費用をとにかくかけたくない人 ・売れるような市販品がない人 |
| リサイクルショップや中古買取ショップで売る | 0円(収益あり) | △ | ・人気作品やBOXセットを持っている人 ・フリマアプリは面倒だと感じる人 |
| オークションやフリマアプリに出品する | 0円(収益あり) | × | ・少しでも高く売りたい人 ・コレクター品や限定盤を持っている人 |
| 友人・知人に譲る | 0円 | △ | ・ゴミにせず、誰かに役立ててほしい人 ・身近に同じ趣味を持つ人がいる人 |
| 不用品回収業者に依頼する | 数千円~ | ○ | ・大量にあり、手間をかけたくない人 ・他の不用品もまとめて処分したい人 |
※手間:○=手間ゼロ・△=やや手間がかかる・×=手間がかかる
方法1:自治体のゴミとして処分する
最も一般的で費用がかからないのが、自治体のゴミとして処分する方法です。数枚程度の不要なDVDを手軽に処分したい場合に適しています。
ほとんどの自治体では、以下のように分別します。
- DVDディスク本体は「可燃ごみ」または「不燃ごみ」
- プラスチック製のケースは「プラスチックごみ」
これは、ディスクの主成分がポリカーボネートというプラスチックであるため、自治体のごみ処理施設が高温で焼却できるか、または埋め立て処理するかの違いによって分別が変わります。
ただし、分別ルールは全国一律ではなく、自治体によって大きく異なります。
カタニャン
個人情報や見られたくない映像が記録されているDVDは、この後で解説する「データ破壊」を必ず行ってから捨てましょう。市販のDVDであっても、念のため記録面に傷をつけておくとより安心です。
| メリット | デメリット |
| ・処分費用がゴミ袋代のみで済む ・少量からでも自分のタイミングで処分できる |
・情報漏洩を防ぐためデータ破壊の手間がかかる ・自治体ごとの細かい分別ルールを確認する必要がある |
方法2:リサイクルショップや中古買取ショップで売る
市販の映画や音楽DVDなどは、リサイクルショップや中古買取ショップで売却できる可能性があります。捨てるはずだったものがお金になるので、お得な処分方法と言えるでしょう。
ブックオフのような総合リサイクルショップのほか、ゲオやTSUTAYAといったDVD・CDの買取を専門に行う業者もあります。専門業者のほうが、希少価値のあるタイトルや限定盤などを正しく評価してくれる傾向があります。
高く売るためのポイント
- できるだけ綺麗な状態にする
ディスクの盤面に傷がないか、ケースやジャケットが汚れていないかを確認しましょう。柔らかい布で指紋などを拭き取っておくだけでも印象が良くなります。 - 付属品を揃える
初回限定版の特典(ブックレット、ポストカードなど)や、ケースの帯が揃っていると査定額がアップします。 - シリーズはまとめて売る
アニメやドラマのDVDは、1巻ずつ売るよりも全巻セットで売るほうが高値が付きやすくなります。 - キャンペーンを利用する
「まとめ売りで査定額〇%アップ」などのキャンペーンを狙うのも賢い方法です。
カタニャン
| メリット | デメリット |
| ・処分費用がかからず、収益になる可能性がある ・専門スタッフに査定してもらえ、大量でも一度に売れる |
・傷が多いものや需要のないタイトルは買取不可 ・自作DVDや海賊版・コピー品は絶対に売却できない |
方法3:オークションやフリマアプリに出品する
オークションやフリマアプリを利用して、個人間でDVDを売買する方法もあります。自分で価格を設定できるため、買取業者の査定額に不満がある場合でも、希望の価格、あるいはそれ以上の価格で売れる可能性があります。
特に、すでに廃盤になっている作品、ライブ会場限定販売のDVD、マニアックなジャンルのコレクター品などは、買取店では値段が付かなくても、フリマアプリなら「欲しい」という人が見つかりやすいのが大きな魅力です。
ただし、商品の写真撮影、状態を正確に伝える説明文の作成、購入者とのコメントのやり取り、そして丁寧な梱包と発送作業など、全てを自分で行う必要があるため手間と時間がかかります。
相談者
カタニャン
| メリット | デメリット |
| ・業者よりも高値で売れる可能性がある ・自分で価格を自由に設定できる |
・一点ずつ出品 ・梱包・発送する手間がかかる ・個人間取引のためトラブルのリスクがある |
方法4:友人・知人に譲る
まだ問題なく再生できるDVDであれば、必要としている友人や知人に譲るのも良い方法です。同じアーティストのファンや、同じ映画が好きな友人であれば、きっと喜んで引き取ってくれるでしょう。
身近に譲る相手がいない場合は、地域の情報を集めた「ジモティー」などのサービスで、近所で引き取り手を探すのも手軽でおすすめです。
「無料で譲ります」という形で出品すれば、意外なほど早く引き取り手が見つかることもあります。ゴミとして捨ててしまう前に、誰か必要としている人がいないか探してみる価値は十分にあります。
カタニャン
| メリット | デメリット |
| ・費用をかけずに手放せる ・ゴミにせず、誰かに役立ててもらえる |
・譲る相手を自分で探す必要がある ・必ずしも引き取ってもらえるとは限らない |
方法5:不用品回収業者に依頼する
「何百枚、何千枚とあって、分別やデータ破壊を考えるだけで気が遠くなる」「DVDプレーヤーや棚、他の不用品もこの際まとめて処分したい」という方には、不用品回収業者への依頼が最も適しています。
電話一本で自宅まで回収に来てくれ、面倒な作業はすべてプロのスタッフに任せられます。分別も不要なため、時間をかけずに部屋をスッキリ片付けたい場合に最適です。ただし、他の方法に比べて費用が高いのがデメリットです。
不用品回収業者に依頼する手順
- インターネットなどで複数の業者を探し、料金体系や口コミ、会社の所在地などを比較検討する。
- 電話やウェブサイトから、処分したいDVDのおおよその枚数や他の不用品の量を伝えて、見積もりを依頼する。
- 提示された料金やサービス内容に納得したら、正式に回収日時を予約する。
- 当日はスタッフが家の中から搬出してくれるので、引き渡すだけで完了。
必ず自治体の「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持つ正規の業者に依頼しましょう。「無料回収」を謳って町中を巡回しているトラックや、ポストに投函されるチラシの業者には特に注意が必要です。後から高額な作業費を請求されたり、回収した不用品を不法投棄されたりするトラブルが後を絶ちません。
| メリット | デメリット |
| ・データ破壊や分別の手間が一切かからない ・他の不用品もまとめて処分できる |
・他の方法に比べて費用が高額になる ・信頼できる優良業者を慎重に選ぶ必要がある |
処分前に必須!DVDのデータを安全に破壊する2つの方法
自作のホームビデオや、PCのバックアップデータなどを記録したDVDをゴミとして処分する際は、情報漏洩を防ぐために必ず物理的にデータを破壊しましょう。簡単な作業で安全性が格段に高まります。
ハサミやカッターで傷をつける
最も手軽でコストのかからないのが、DVDの記録面に物理的な損傷を与える方法です。DVDは、レーザーを当てて反射する光の強弱でデータを読み取ります。そのため、データを記録している銀色に光る面に深い傷をつければ、レーザーが正常に反射しなくなり、データを読み取れなくなります。
カッターで記録面に×印を描くように数本、深く切り込みを入れるだけでも効果はあります。より確実なのは、キッチンバサミや万能ハサミなどでディスクを半分、あるいは複数に切断してしまうことです。
作業中は、ディスクの破片が目に入る危険があるため、軍手や保護メガネを着用し、ゴミ袋の中で作業するなど、安全に十分配慮して行いましょう。
DVD対応のシュレッダーを使う
会社の機密データや顧客情報など、極めて重要な情報が記録されたDVDを処分する場合や、大量のDVDを手間なく確実に破壊したい場合は、専用のシュレッダーを利用するのが最も効率的で安全です。
最近の家庭用シュレッダーの中には、紙だけでなくCDやDVD、プラスチック製のカード類を細断できる機能が付いたモデルが多く販売されています。
数千円から購入でき、一度に複数枚を処理できる製品もあります。DVDを投入するだけで、自動で3分割以上に細断してくれるため、情報復元はほぼ不可能です。
DVDの処分に関するよくある質問
DVDの処分に関して、多くの人が抱える疑問とその回答をまとめました。
DVDケースやジャケットの紙はどうやって捨てる?
これらはDVDディスク本体とは別に分別する必要があります。
プラスチック製のケースは「プラスチックごみ」、映画のタイトルが書かれたジャケットや歌詞カードなどの紙類は「古紙」または「可燃ごみ」として分別するのが一般的です。
ただし、これも自治体によってルールが異なりますので、お住まいの地域の分別方法を必ず確認してください。
レンタル落ちのDVDは売れますか?
はい、売却可能です。多くのリサイクルショップや買取専門店で取り扱っています。
ただし、ディスクやケースに店舗管理用のシールが貼られていたり、多くの人が利用したことによる傷があったりするため、通常の販売品に比べて買取価格は安くなる傾向があります。
録画したテレビ番組のDVDを売ったり譲ったりしてもいい?
いいえ、絶対にやめましょう。個人的な家庭内での視聴(私的利用)の範囲を超えて、テレビ番組を録画したDVDを売ったり、不特定多数に譲ったりすることは、著作権法に違反する違法行為です。
友人間の貸し借り程度なら問題ありませんが、売買はトラブルの元です。このようなDVDは、必ずデータを破壊した上で、ゴミとして処分してください。
大量のDVDを楽に処分する方法は?
枚数が非常に多い場合は、「買取業者の宅配買取」か「不用品回収業者」がおすすめです。どちらも自宅にいながら処分が完了するという大きなメリットがあります。
売れそうな市販品が多ければ買取業者に依頼して収益化を狙い、自作DVDや処分に困るものもまとめて手間なく手放したい場合は不用品回収業者を選ぶ、というように使い分けると良いでしょう。
情報漏洩に注意してDVDを正しく処分しよう
ここまで解説してきた通り、DVDには様々な処分方法があります。
費用をかけずに捨てたいなら自治体のゴミ、お得に手放したいなら買取業者やフリマアプリ、手間をかけたくないなら不用品回収業者というように、ご自身の状況やDVDの種類、枚数に合わせて最適な方法を選びましょう。
最も重要なのは、特にホームビデオや個人データなど、プライベートな情報が記録されたDVDは、必ずハサミで切るなどの「データ破壊」を行ってから処分することです。この一手間をかけるだけで、情報漏洩のリスクをなくし、安心して手放すことができます。
正しい知識をもとに、家にたまったDVDを安全かつスッキリ片付けて、心地よい空間にしましょう。

