引っ越しや買い物で出てくる発泡スチロール。かさばるし、どうやって捨てたらいいのか迷ったことはありませんか?
実は、発泡スチロールの処分方法はお住まいの地域によってルールが異なり、「プラスチックごみ」だったり「燃えるごみ」だったり、場合によっては「粗大ごみ」となることもあります。
この記事では、自治体ルールの確認方法や発泡スチロールの捨て方を紹介します。また、発泡スチロールを小さくする方法や、絶対やってはいけないNGな処理方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
まず最初に!地域の分別ルールを確認しよう
発泡スチロールを正しく処分するには、まずお住まいの地域の自治体ルールを確認することが大切です。実は、発泡スチロールの分別方法は、市町村によってさまざまです。
- プラスチックごみ
- 可燃ごみ
- 不燃ごみ
このように、分別区分が地域によって異なります。また、「一辺が30cm以上は粗大ごみ」といったサイズ規定がある場合もあります。
多くの自治体がごみの出し方に関する情報を公式ホームページ上で公開しています。PDF形式の「ごみ分別パンフレット」や、「ごみ分別検索機能」「分別アプリ」などがあり、スマートフォンやパソコンから簡単に確認できます。
発泡スチロールの捨て方7選
ここでは、発泡スチロールを効率的かつ適切に処分するための方法を、自治体のごみから不用品回収業者まで、6つの方法を詳しくご紹介します。各方法のメリット・デメリット、注意点を知って、自分の状況に最も適した処分方法を見つけましょう。
捨て方 | 費用 | 手間 | こんな人におすすめ |
自治体のプラスチックごみ | 0円 | △ | きれいな発泡スチロールを処分したい人 |
自治体の燃えるごみ | 0円 | △ | 汚れた発泡スチロールを処分したい人 |
自治体の粗大ごみ | 300~1,000円 | △ | 大型の発泡スチロールを処分したい人 |
スーパーや店舗の回収ボックス | 0円 | ○ | 買い物のついでに処分したい人 |
購入店での引き取りサービス | 0~1,000円 | ○ | 家電・家具を購入した人 |
不用品回収業者 | 3,000~10,000円 | ○ | 手間をかけずに大量処分したい人 |
※手間:○=手間ゼロ・△=やや手間がかかる・×=手間がかかる
捨て方1:自治体のプラスチックごみとして捨てる
電化製品の梱包材や緩衝材として使われていた発泡スチロールは、多くの自治体で「プラスチックごみ」として処分が可能です。ただし、自治体によっては資源ごみとして回収していない場合もあるため、事前にルールを確認しておきましょう。
出し方の手順:
- 洗浄・乾燥:汚れをしっかりと水洗いし、完全に乾燥させる
- サイズ調整:大きな塊は手やカッターで袋に入るサイズに砕く
- 袋詰め:透明または半透明の指定袋に入れる
- 収集日に出す:地域の収集曜日・時間を厳守して出す
油や食品の残りかすが付着していると回収されないため、完全な洗浄が必要です。
カタニャン
メリット | デメリット |
・無料で処分できる ・環境に優しい |
・汚れたものは出せない ・収集日が限定される |
捨て方2:自治体の燃えるごみとして捨てる
汚れた発泡スチロールは「燃えるごみ」として処分されるのが一般的です。リサイクルに適さないため、資源ごみには出せません。
対象となる発泡スチロール:
- 使用済みの弁当容器
- 油やソースが付着した食品トレイ
- 汚れが落ちない緩衝材
カタニャン
メリット | デメリット |
・無料で処分できる ・週2回程度と収集頻度が高 |
・リサイクルはできない ・自治体によってルールが異なる |
捨て方3:自治体の粗大ごみとして捨てる
大きなサイズの発泡スチロールは「粗大ごみ」として扱われます。一辺が30cm~50cm以上、家庭用ごみ袋に入らないサイズなど、自治体によって規定が異なります。
出し方の手順:
- 事前申し込み:粗大ごみ受付センターに電話またはネット申し込み
- 詳細情報の提供:サイズ、数量、材質などを伝える
- 処理券購入:指定料金(200円~1,000円程度)の処理券を購入
- 処理券貼付:発泡スチロールの見やすい場所に貼る
- 収集または持ち込み:指定日に出すか、施設に持ち込む
申し込みから収集まで数週間かかる場合があるため、引っ越しなど期限がある場合は早めの手続きが必要です。
自治体の処理施設へ自分で持ち込むことも可能です。ただし、予約が必要な施設もあるので、事前に確認してから持ち込みましょう。
メリット | デメリット |
・大量・大型でも一度に処分可能 ・自治体運営で安心・安価 ・持ち込みか収集かを選べ |
・事前申し込みが必要 ・処理券の購入が必要(有料) ・収集まで数週間かかる場合がある |
捨て方4:スーパーや店舗の回収ボックスを利用する
多くの店舗で設置されている無料回収ボックスを利用する方法です。買い物のついでに処分できるため、便利です。
主な設置店舗:
- 食品スーパー:イオン、イトーヨーカドー、ライフなど
- 家電量販店:ヨドバシカメラ、ビックカメラなど
- ホームセンター:カインズ、コーナンなど(一部店舗)
回収ボックスで回収できる発泡スチロールは、洗浄済みの食品トレイや、白い発泡スチロールの緩衝材、汚れのない梱包材などです。梱包テープやシールは事前に取り除いておきます。
カタニャン
メリット | デメリット |
・無料で処分できる ・買い物のついでに利用可能 ・リサイクルできる |
・洗浄が必要 ・分別ルールあり ・色付きや印刷物は対象外が多い |
捨て方5:購入店での引き取りサービスを利用する
家電や家具の購入時に発生する大量の梱包材を、配送・設置と同時に回収してもらう、引き取りサービスを利用する方法もあります。手間なく処分できるので、便利です。
利用手順:
- 購入時申し込み:商品購入時に「梱包材回収サービス」を選択
- 料金確認:無料か有料かを確認(店舗により異なる)
- 配送日調整:配送・設置日程を決定
- 当日立会い:配送・設置完了後、その場で梱包材を回収
購入時に梱包材の処分も依頼することが重要です。オンラインショップで購入する際はオプションで選択し、配送業者への伝達事項にも記載しておくと確実です。後日の依頼や回収には対応していない場合がほとんどです。
メリット | デメリット |
・手間や時間を大幅に削減 ・配送・設置と同時に処分完了 |
・購入時の事前申し込みが必要 ・有料の場合がある(数百円~1,000円) ・当日の急な依頼は不可 |
捨て方6:不用品回収業者に依頼する
手軽にすぐに処分したい場合は、不用品回収業者への依頼もおすすめです。大量の発泡スチロールを手間なく処分したい場合に適しています。
費用は高めで、発泡スチロールのみの処分でも3,000円から10,000円程度が相場となっています。不用品回収業者に依頼する際は、業者選びが最も重要なポイントです。
業者選びのチェックポイント:
- 許可番号確認:一般廃棄物収集運搬許可番号があるか
- 見積もり提示:詳細な見積書を出してくれるか
- 追加料金の確認:作業後の追加料金がないか
- 実績・評判:ホームページや口コミでの明朗会計実績
- 複数業者比較:料金と対応を比較検討
信頼できる業者を選ぶには、一般廃棄物収集運搬の許可番号の確認が重要です。無許可業者による回収は違法行為となり、利用者も法的責任を問われる可能性があります。
カタニャン
できれば、複数の業者から見積書を取って比較することをおすすめします。見積もり時には、追加料金の発生条件、作業時間の目安、キャンセル料の有無なども確認しておくことが大切です。口コミサイトやレビューサイトでの評判調査も、業者選びの重要な判断材料となります。
メリット | デメリット |
・電話一本で予約可能 ・分別・袋詰め・運搬すべて業者が対応 ・大量・重量物でも対応可 |
・費用がかかる(3,000円~10,000円程度) ・業者選びを間違えるとトラブルのリスク ・追加料金が発生する場合がある |
発泡スチロールを小さくする方法3つ
発泡スチロールはかさばるため、そのままごみ袋に入れようとするとスペースを取ってしまいます。特に大きな塊は袋に収まらず、分別の際に不便を感じることも多いでしょう。
ここでは、ご家庭で安全にできる、発泡スチロールを小さくする方法を3つご紹介します。
方法1:ゴミ袋の中で「折る・割る」
発泡スチロールを折る・割るという方法は、一番手軽で、多くの人が最初に思いつく方法ではないでしょうか。特別な道具も必要なく、すぐに取り掛かれます。ただし、ちょっとしたコツで快適さが全く違います。
【手順】
- まず、大きめのゴミ袋(45Lサイズなどがおすすめ)を用意します。
- 小さくしたい発泡スチロールを、その袋の中にすっぽり入れます。
- 袋の口を少し開けて空気を逃しながら、袋の上から手で「バキッ!」と力を込めて割りましょう。手で難しい場合は、床に置いて足でゆっくりと体重をかけて踏みつぶすのも効果的です。
カタニャン
発泡スチロールをそのまま割ると、静電気を帯びた白い粒が飛び散り、洋服や床にくっついて掃除が本当に大変になります。袋の中で作業すれば、細かいゴミがすべて袋の中に収まるので、後片付けの手間がゼロになります。
ただし、割る時の「バキッ!」という音は意外と響きます。マンションなど集合住宅にお住まいの方は、早朝や深夜の作業は避けるなど、周りへの配慮をするとよりスマートです。
方法2:カッターナイフで「切る」
「音を立てずに、きれいに処理したい」「部屋を汚したくない」という方には、カッターナイフを使う方法が断然おすすめです。この方法なら、白い粒がほとんど出ることなく、きれいに切断できます。
【手順】
- 作業する床を傷つけないように、カッターマットや古い雑誌、段ボールなどを下に敷きます。
- 発泡スチロールを安定した場所にしっかりと置きます。
- 安全のため、カッターナイフの刃は少しだけ(1〜2目盛り程度)出します。
- 一度で深く切ろうとせず、力を入れずに表面をなぞるように「スーッ」と数回に分けて切り込みを入れていくのがコツです。
ケガ防止のため、作業用の手袋を着用しましょう。刃を長く出しすぎないこと、焦らずゆっくり切ることが安全につながります。
方法3:発泡スチロールカッター
「分厚くて、とても手やカッターでは歯が立たない…」そんな発泡スチロールには、専用の発泡スチロールカッターを使ってみましょう。
ホームセンターや100円ショップで手に入る「発泡スチロールカッター」は、波状の特殊な刃がついており、力をほとんど入れなくても、驚くほどスムーズに切ることができます。
絶対やってはいけない!NGな処理方法
インターネットで検索すると、驚くような方法が見つかることがありますが、ゴミとして処理する上で、絶対にやってはいけない危険な方法が存在します。以下の処理方法は絶対に試さないようにしましょう。
- アセトンやシンナーなどの溶剤で溶かす
発泡スチロールは化学的に溶けますが、その際に人体に有害なガスが発生します。室内で吸い込むと、めまいや吐き気を引き起こす可能性があり大変危険です。また、引火しやすく火災の原因にもなります。 - 火で燃やす
個人の判断でゴミを燃やすことは法律で禁止されています。燃やすと有毒な黒い煙と強烈な悪臭が発生し、ダイオキシンなどの有害物質をまき散らすことになります。絶対にやめましょう。 - 熱湯をかける・煮る
素材によっては縮むことがありますが、同時に化学物質が溶け出す可能性があります。また、溶けた発泡スチロールがキッチンのシンクや排水管に付着し、つまりや故障の原因になることもあります。
発泡スチロールの捨て方に関するよくある質問(FAQ)
発泡スチロールの処分に関しては、多くの人が共通して悩むポイントがあります。ここでは、特に検索されやすい疑問をQ&A形式でわかりやすくまとめました。
汚れた発泡スチロールは資源ごみに出せる?
基本的に汚れが落ちないものは「燃えるごみ」に分類されます。自治体のルールを確認しましょう。
食品トレイや弁当容器など、油やソースなどの汚れがこびりついている発泡スチロールは、リサイクルに適さないため資源ごみとしては出せません。たとえ水洗いしても落ちない場合は、燃えるごみとして処分するのが一般的です。
一方、洗ってきれいになった白色の食品トレイや緩衝材であれば、スーパーのリサイクルボックスや資源ごみとして出せる可能性があります。ただし、自治体によって判断基準が異なるため、個別に確認することが重要です。
発泡スチロールはリサイクルされるの?
はい、一部の食品トレイやきれいな緩衝材はプラスチック製品としてリサイクルされ、活用されています。
リサイクル後は、以下のような製品に生まれ変わります。
- 鉢植えプランター
- 建築用断熱材
- 文房具や収納用品の一部素材 など
大量の発泡スチロールを無料で処分する方法はある?
自治体のルールに従い、分別して複数回に分けてゴミ出しをする、スーパーなどの回収ボックスを利用する、などが無料で処分できる方法です。
発泡スチロールが一時的に大量に発生した場合でも、以下のようにすれば費用をかけずに処分可能です。
- 自治体の「資源ごみ」または「燃えるごみ」として、数回に分けて出す
- スーパーや家電量販店の回収ボックスに小分けして持ち込む
- 一部の自治体で実施されているごみ処理施設への無料持ち込みサービスを活用する
ただし、「粗大ごみ」扱いになるサイズや量である場合は、事前申し込みや手数料が必要になるケースもあります。
事業で出た発泡スチロールも家庭ごみで出せる?
いいえ、事業活動で出たゴミは産業廃棄物または事業系一般廃棄物として、家庭ごみとは異なる方法で処分する必要があります。店舗やオフィス、工場などの事業活動によって発生した発泡スチロールは、たとえ家庭と同じ素材・形状であっても、家庭ごみとして出すことはできません。
無許可の業者に依頼したり、家庭ごみに紛れ込ませたりすると、不法投棄とみなされ罰則の対象になることもありますので、気をつけましょう。
発泡スチロールは正しく分別して賢く処分しよう
発泡スチロールは軽くて扱いやすい一方、処分方法を間違えると手間や費用が増えたり、環境に負担をかけてしまうこともあります。まずは地域のルールをしっかり確認し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
「きれいなものはリサイクル」「汚れたものは燃えるごみ」「大きなものは粗大ごみ」など、基本を押さえておけば、迷うことも少なくなります。スーパーや家電量販店の回収ボックス、購入店での引き取りサービス、不用品回収業者など、生活スタイルに応じて選べる方法があるのもポイントです。
この記事で紹介した内容を参考にしながら、ご自身にとって無理のないやり方で、発泡スチロールを効率よく、そして環境にやさしく処分していきましょう。ちょっとした工夫や事前の確認で、面倒に感じていた処分もぐっとラクになり、日々の暮らしもすっきり整います。